製造業の理系エンジニアは簿記を学ぶべき

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理系にとって、簿記と聞くと「経理や会計業務で無縁だな・・」と思いがちですが

実は理系こそ簿記の知識は役に立ちます。

私はもともと国立理系大学院を経て、製造業のエンジニアとしてキャリアを積んでいた矢先に、原価管理部門への教育出向を言い渡されました。

「理系にとって異分野で全く疎遠な原価管理なんて・・・果たして学べるものはあるのかな・・・」と不安でいっぱいでした。

しかし、予想に反して原価管理での経験は、のちのエンジニア人生に何とも代えがたいものとなりました。

私は原価管理部門出向中、原価計算に必要な簿記に出会い勉強をすることにしました。

そこで気づいたことはモノづくりの製造業で働く理系にとって簿記は、非常に相性がいいということです。

その中でも原価計算するための工業簿記の知識は実業務でとても役に立ちます。

ここでは、製造業を目指す理系エンジニアにとって工業簿記を学ぶメリットを紹介していきます。

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工業簿記とはなんだろう

「この製品は1個当たりいくらかかるのか?」

商業簿記は商品を仕入れ、それをそのまま販売することを対象しているのに対して、

工業簿記は材料を買ってきて、曲げる、組み立てる、色を塗るなどの加工を施して、完成品を販売する【仕入れ→加工→販売】といったものを対象としています。

この工業簿記の流れは製造メーカーのモノができるまでの流れになります。

製品1個当たりいくらかかるのかということを知るためには、材料仕入れや販売にかかるお金だけではなく、「加工にいくらかかるの?」という製造にかかる費用も把握する必要があります。

材料費・労務費・経費がわかる

ざっくり製造にあたっての費用は以下の3つに分類されます。

材料費:製造するために消費した材料の金額

労務費:工場の人件費などの労働にかかわる金額

経費:材料費・労務費以外の金額

コストは大きく材料費・労務費・経費で成り立っているのですが、この中でもエンジニアにとって材料費と労務費に関して原価の成り立ちがとても大事です。実際には直接費・間接費とさらに分類されるのですが、そこについては割愛します。

材料費はいわゆるモノの仕入れに値します。

「安い材料に変えよう」

「この部品の形状を変えて部品の使用量を抑えよう」

と検討することにより材料の原価低減をします。

労務費はモノを作る過程で発生します。人の最適配置や段取りを効率的したり、どんな設備を入れて何人で作るのが一番モノを安く作れるのかを検討します。(設備は固定費で一般的に経費に分類)

経費はその他のもので、工場の光熱費や建屋など様々なものです。特許に関する費用もここに入ります。

この3つの費用の成り立ちを知るのに工業簿記を学ぶことで網羅できます。

それぞれの費用を知ることで、「この材料変更すると安くなるけど、生産するための工程増えて、労働者増えるよな、あと設備も導入しないといけないし、電気代と水道代も増えそうだな・・・」と広い視野をもつことができます。

直接費、労務費、経費の3つの、どの費用に分類されるのかという考え方がエンジニアにはとても大切です。

個別原価計算と総合原価計算がわかる

モノを作るといっても大雑把に2種類あります。

個別原価計算:顧客の注文に応じて製品を製造する受注生産形態

総合原価計算:同じ規格の製品を毎月大量に作る大量生産形態

個別原価計算とは受注してから作るいわゆるオーダーメード形態です。

大学のサークルなどのデザインTシャツなんかはこちらですね。個別原価計算は顧客の要望に応じて一つ一つ作りこんでいきます。

一方、、総合原価計算は1日に売れる量を予想して製品の生産量を決めます。いわゆる顧客の注文ではなく大量生産して販売していくもので、製造メーカーの大半がこちらです。

個別原価計算はそれぞれモノを作るごとに、材料費+労務費+経費で計算し、1個当たりの製造原価を出すのに対し、総合原価計算は(材料費+労務費+経費)を生産数量で割ることで1個当たりの製造原価を出します。

コストとしては大量生産したほうが安くできますよね。その分売れ残りで廃却が出る可能性もありますが。

変動費と固定費がわかる

変動費:製品の生産・販売量に比例する原価

固定費:製品の生産・販売量に関係なく一定額が発生する原価

モノを作るうえで、原価の内訳といてこれは変動費なのか固定費なのかを把握することはとても重要です。

例えば日常生活をしていて

「携帯代は固定費か変動費どちらだろう?」など

毎月発生している費用を固定費なの?変動費なの?と考えることはありませんか?

この費用がどちらなのかということは非常に大事です。

実際の製造業の完成品は変動費と固定費が混在しています。そこを分解して評価したりもします。

例えば製品の原価内訳がほとんどが固定費であった場合どうでしょう。

モノの需要がなくなって急に大量生産していたものが売れなくなったとします。固定費はその名の通り関係なく発生してしまう費用です。減価償却費などが固定費に分類されます。

月に100個作っても、10,000個作ってもその月に支払う固定費は同じなのです。

つまり固定費はリスクが非常に高いのです。

変動比率=変動費/売上高 で評価したりもします。

「設備投資などの固定費に対して、何個売れば回収できるのか?」という考え方も大事です。

この固定費を回収しきり売上が総原価を超えた点を、損益分岐点といいます。

つまり変動固定の考えがわかれば「製品の原価がいくらなの?」だけではなく、損益分岐はどこなのかという指標をみることができます。

とても大事な考えなのですが、ここをしっかりと理解しているエンジニアは案外少ないです。

まとめ

一口にモノの原価といっても原価の内訳としてどんなものが発生しているのか?と考えることはエンジニアも知っておく必要があります。

コストを正しく把握することは、会社の経営に直結します。

工業簿記を学び、原価を正しく見ることができるエンジニアとなりましょう。

コメント

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